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熟年離婚増加の原因や理由は?年金分割など後悔しない老後のための準備も

 

熟年離婚」と聞くと、「定年後に家にいる亭主関白の夫に、妻が離婚届を突きつける」というイメージでしょうか?

しかし近年では、夫から離婚を求めるケースも増えているようです。

長年連れ添った夫婦が、年を取ってから離婚をして第二の人生をスタートさせることは、かなりのリスクがあるように思えます。

熟年離婚をしようかどうしようかと悩まれている方も多いことでしょう。

そこで今回は、

  • なぜ熟年離婚が増えているのか
  • 熟年離婚をして幸せになれるのか
  • 専業主婦が後悔しない熟年離婚をするための方法

をご紹介したいと思います。

奥の手カウンセリングはこちら>

 

熟年離婚とは?

熟年離婚」という言葉が当たり前のように使われるようになった昨今。

「熟年離婚=熟年者の離婚」と思っている方もいるようですが、熟年離婚とは、長い結婚生活の末にする離婚のことで、一般的には20年以上と言われています。

 

【平成28年最新】熟年離婚の離婚件数は全体の17%にも!

 

熟年離婚の件数と離婚率

厚生労働省が発表しているデータによると、平成二八年は、離婚総件数216,805組のうち、同居期間が20年以上の熟年離婚件数は、37,604組です。

離婚した夫婦のうち、17%が熟年離婚であることがわかります。

 

厚生労働省 平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況 より

 

全体の離婚件数は減少中

一方、平成14年以降、全体の離婚件数は減少しています。

これらのことから、いかに熟年離婚の割合が増加しているかがわかりますね。

厚生労働省 平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況より

 

熟年離婚をする原因は?

長年連れ添った夫婦が年を取ってから離婚をして第二の人生をスタートさせるのは、なかなかリスクがあることでしょう。

しかしそのリスク以上に、離婚することにメリットがあると感じるからこそ、多くの中高年が離婚を決断しているのでしょう。

そこまで離婚したがる原因は何なのでしょうか。

 

夫が定年退職したから

夫の定年退職と同時に離婚することには、夫の退職金が関係します。

退職金を分けてお互い別々の生活を送るための資金にしようと考えるからです。

また、夫が退職したことによって、家で一緒に過ごす時間が増えることが苦痛だからというケースもあります。

 

長年の我慢に限界がきた

長年悩まされてきた夫の不倫や暴力、暴言などに嫌気がさしたことから妻側から離婚に踏み出すケースもあります。

 

子どもが独立したから

もともと夫婦仲が悪く離婚をしたかったけれど、子供に悪影響があるといけないからと離婚を今まで我慢していた人が子供の独立を機に熟年離婚を考える場合もあります。

 

制度が変わったから

年金制度が改正されたことで、2007年4月以降に離婚する夫婦は、結婚期間中に夫が支払ってきた保険料分の厚生年金を夫婦で分配できるようになりました。

 

価値観や性格の不一致

今までは毎日会社に行っていた夫が、定年退職して毎日家にいるようになることで、価値観や性格の不一致がより一層明確になることから熟年離婚を考えるケースもあるようです。

 

相手の親の介護、相手の介護をしたくないから

自分の親に加えて、配偶者の親も介護しなくてはならないことから離婚するケースもあります。

同じく、相手の介護をしたくないということもあります。

 

これらが主な原因ですが、いずれも、長年の我慢や煩わしいことからは離れたい、という思いが強いようですね。

 

熟年離婚をして良かったこと・後悔したことは?

熟年離婚後の生活費や精神状態など、不安なことはたくさん考えられます。

実際に熟年離婚して良かったこと、後悔したことをまとめてみました。

 

良かったこと

配偶者が原因となっている悩みから開放される

  • 家庭内暴力
  • 借金などの金銭的な問題
  • 舅、姑との関係
  • 介護問題
  • 浮気や不貞

生活を心機一転できる

  • これまでできなかった趣味や旅行などができるようになる
  • 配偶者から離れ、自分に合う恋愛ができるようになる

 

後悔したこと

収入がなく生活費に困る

一番のデメリットは、やはりお金の問題のようです。

専業主婦などは、年金額も少なく、収入を得られる仕事につけないと、生活が苦しくなる場合があります。

 

健康面の心配

家事をしてこなかった夫の場合は、料理や家事ができないので、食事や健康を害す可能性もあります。

妻は簡単そうにやっているようにみえるかもしれませんが、家事をしてこなかった男性が同じようにこなすのはなかなか大変です。

外食が続き、体調を崩すおそれがあります。

 

一人になって気付く孤独感

離婚前は、早くひとりになりたいと思っていても、実際一人の生活になって気付くのが寂しさです。

孤独感から夫婦の大切さに気付き、よりを戻して再婚をするケースもあります。

 

お金で後悔しないための準備

 

離婚をした後に、「ああしておけば良かったなあ」と後悔しないためにも、離婚を決断する前にできることを考えておくことは大切です。

熟年離婚では、老後の暮らしの計画を立てることが必須です。

老後の計画といえば、まずはお金のことが頭に浮かぶと思いますので、離婚時に考えるべきお金についてまとめてみましょう。

 

財産分与

夫婦が結婚後に2人で築いた財産を分配することができます。

事前にどのような財産があるのかしっかり調べてから、夫婦の財産分与について取り決めをしましょう。

財産分与についての詳細は、こちらをご覧ください。

離婚時の財産分与の種類や流れは?専業主婦ができるだけ多くの金額をもらうための決め方

 

慰謝料の請求

夫婦のどちらか一方に明らかな非があると認められた場合、慰謝料を請求することができます。

慰謝料の金額は、話し合いや調停で決める場合は、夫婦間で自由に決めることができます。

裁判の場合は、これまでの夫婦の事情を考慮した上で決まります。

慰謝料についての詳細は、こちらをご覧ください。

離婚時に慰謝料を請求できる場合と金額の相場は?慰謝料の決め方や手順を徹底解説!

 

年金分割

2007年4月から、夫婦で年金を分配する制度が始まりました。

条件に該当した場合は夫婦で年金を分け合うことができます。

自分の場合はどれくらいもらえるのか、年金窓口で制度について問い合わせをしておきましょう。

 

未成年の子供がいる場合は養育費の請求

18歳以下の子どもがいる場合は養育費を請求しましょう。

養育費の金額については、裁判所の「養育費算定表」にまとまっています。

養育費についての詳細は、こちらをご覧ください。

子供の養育費はいつからいつまでもらえるの?相場と金額の決め方と多くもらうための方法

 

お金以外の準備

老後の計画を立てるときは、お金以外のこともしっかり考えなければなりませんよね。

頼れる友人や交流を持てる人はいますか?

やりたいことや目標はありますか?

あらかじめ、どのような暮らしをしたいのかをじっくり考えておくことも大切です。

 

熟年離婚の手続きの流れ

では、熟年離婚をしようと思ったときは、どのような流れで進めていけばいいでしょうか。

 

夫婦での話し合い

まずは、話し合い(協議)によって離婚に合意できるのであれば、一番理想的ですね。

お互いに合意した場合は、「離婚協議書」を作成しましょう。

 

調停

話し合いで合意できない場合は、調停で決めることになります。

離婚調停については、こちらをご覧ください。

離婚調停を自分でやる方法は?期間とかかる費用や申立て方法、流れは?欠席したら不成立?

 

裁判

もし、離婚調停において話し合いがまとまらない場合は、離婚訴訟を起こすことになります。

 

裁判離婚をするには離婚原因が必須

具体的には、以下の事由に該当しなければなりません。

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄
  • 3年以上の生死不明
  • 回復の見込みのない強度の精神病
  • その他、婚姻を継続しがたい重大な事由

 

離婚裁判の手順

  1. 訴状の作成
  2. 裁判所への訴状の提出
  3. 相手への訴状の送付
  4. 第一回口頭弁論期日の決定
  5. 数回の弁論準備や口頭弁論
  6. 判決

通常、1年から1年半くらいの期間で結審します。

裁判では、話し合いや調停の場合と異なり、証拠がとても大切になります。

 

熟年離婚をする前にやっておくべきことは?

「離婚」という結論を出す前に、離婚という道しか残されていないのか、今一度考えて欲しいと思います。

もしかしたら、まだ試していない良い方法があるかもしれません。

「卒婚」という言葉をご存知でしょうか?

結婚という形を維持しながらも、夫と妻が互いに干渉せず、それぞれの人生を自由に歩んでいくという夫婦関係。

(コトバンクより引用)

近年、離婚をしない新たな解決策として卒婚を選ぶ夫婦が増えています。

卒婚は、法律上では夫婦のままです。

夫婦間で独自のルールを決めて別居をするのが一般的です。

家賃や光熱費など経済的な面を考慮して、同居をしながらお互いの生活を干渉しない卒婚を選ぶ夫婦もいます。

 

熟年離婚のその後にあるもの

 

長年にわたる夫婦間のトラブルや相手に嫌な部分があっても、いざ相手がいなくなってみると、良かった部分も多々見えてくることもあることでしょう。

暴力など長年耐え難い不満を抱えてきた方の場合は、熟年離婚を選択することで、幸せにつながることもあります。

しかし、必ずしも離婚をすることだけが解決策であるとは限りません。

後悔しないためにも、まずあなたがどういう暮らしをしたいのかを考えてから、それに合う解決策をみつけていきましょう。

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